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都庵

現在は「妖怪アパートの幽雅な日常」「The MANZAI」の女性向け二次創作等の物置。オフラインの自家通販もやってます。

   

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朝風呂の後で

「6巻詰め合わせ」より第二段。

ここまでは長谷のターンですね。(苦笑)
前回書き忘れてしまいましたが、6巻のネタバレ含んでますので
読むときはお気をつけくださいませ。

世間では夏コミの準備が忙しいとか・・・
大阪合わせの私はこれからです。(苦笑)
でも、お友達に1日目2日目ともに売り子を頼まれたので
お買い物参戦いたしますよ!

大阪といえば、宿も新幹線のチケットも無事取れました。
行きは前泊して帰りは19時台の電車です。
せっかくなので、なにか美味しいものでも食べて帰りたいものです。
帰りは一人だから誰かナンパしようかな……
それか本当に妖アパオフ会みたいなのやるか……!?
イベント後時間ある方いらっしゃったら拍手かなんかでご一報下さいませ。
一人以上いたら本気にします!


追記(7/25)
通販の「Summer VACATION」が残部少となりました。(10冊以下)
大阪で切れる可能性があるので通販利用のかたは今回ご利用下さい。
今回の通販は7/31メール到着分までです。
再開は8月のグッコミ後になると思います。
-----------------------

拍手[7回]


「あ~、いいお湯だった」
俺と長谷とクリは、まだ残って『迎え酒』を楽しんでいる大人たちを残し、先に風呂からあがってきた。
「あの人たち、タフだよな~」
「まぁ、半分人間を超えてるような人ばっかりだからな」
 ほっこりあったまった体に夜着をまとい、クリの髪を乾かしてやる。ついでに俺達も交替でドライヤーを使って、ばっちり寝る準備を整えてから脱衣所を出た。
一階へ上る階段の途中であくびがでる。
「う~、さすがに眠くなってきた」
 結局、布団を敷く途中で居眠りしただけで秋音ちゃんと朝行だったもんな。
「ん、俺も実はかなり眠気を我慢してる」
 長谷もあくびをかみ殺していた。
「はは、んじゃ一眠り、だな」
「だな。よし、クリ一緒に寝るか?」
 長谷がそう言うと、いつもならコックリうなづくクリが、今日は首をブンブンと横に振った。
「クリ?」
長谷とつないでいた手を離して、クリは台所のほうへかけて行く。
「どうしたんだ? クリ……」
「あぁ、本当なら朝ごはんの時間だもんな。俺たちは遅くまで……、っていうか朝まで飲み食いしてたからちっとも腹減ってないけど、クリは夜ごはんのあと長谷の腕の中で寝てたから、おなか減ったんじゃないかな」
「そっか。なら、久々に二人っきりで眠れるってわけだ」
 長谷はニッと笑って俺の肩に腕をまわした。
「何、少しは広々するって? シングルの布団に高校生とはいえ、男二人じゃ狭いことに変わりないぜ?」
 俺が苦笑いしながら言うと、長谷のヤツ
「違う違う、夫婦水入らずってことだよ」
 なんてボケやがった。
「誰が夫婦だ!」
「ほらほら行こうぜ、マジ眠くなってきた」
 ボケをかましたわりには、再びあくびをかみ殺す長谷。それにつられるように、俺にもあくびがうつった。
たしかに、マジで眠い。
俺たちは部屋のある二階への階段を上った。
「あ~、ちゃんと布団敷いてある」
「おう、朝行の前にな」
うたたねの前に敷きたかったけど、撃沈したってことは長谷には黙っておく。なんとなく間抜けだからな。
俺たちはそそくさと布団の中に潜り込んだ。アパートの中は暖かいとはいえまだ正月、ちゃんと布団をかぶらないと徐々に体が冷えてくる。
クリが間にいない、少しゆとりがある(いや、ゆとりってほどのもんじゃないんだけど)布団の中。温泉であったまった体のぬくもりが布団に移った頃、睡魔はすぐに訪れた。うとうとと、朝寝の至福にひたろうかというときに、不意に体に重たいものがのしかかってきた。ちょうど上向きに寝ている俺の胸の上だったから、思わず目がパッチリ開いてしまった。
「ん、なんだなんだ?」
完全では無い暗闇の中、ほんのり明るいカーテンからこぼれる明かりに照らされ、衝撃の正体が明らかになる。長谷の肩から伸びた腕が、こちらに寝返りを打ったはずみで、俺のちょうど胸辺りの布団にめり込んでいる。
「なんだよ、脅かすなよ。しかたねぇなぁ」
俺は乗っかっている長谷の腕を布団の中に戻してやり、再び眠りにつこうと布団をかぶった。
すると、また長谷の腕が俺を襲ってきた。今度は胸の上ではなく、ちょうど首のところだったので、俺は今度こそは一言言ってやろうと布団の中で長谷のほうへ向き直った。
「おまえなぁ……」
いいかげんにしろよと続けたかったところだが、首の後ろをぐいと引き寄せられ、両腕で頭を抱え込まれてしまった。
「な、ちっちょっと、長谷?」
 動揺する俺。でも長谷は寝ぼけているのか、一向に起きる気配は無く、寝言とともに抱きしめてくる力は増すばかり。
「ん~、もちっとくっつけ……クリぃ……」
 そんな寝言まで言う始末。
「お~い、長谷~? 俺はクリじゃねぇぞ~」
 長谷の胸元で必死に抗議するが、がっちり頭を抱きこまれているので、身動きが取れない。
「ん~、寒い~」
「寒い?」
「足~」
「足って、わっ」
長谷の片足が俺の脚の間にずぼっと入ってきた。そしてもう一つの足が、側面から絡んでくる。
「ちょっと、長谷?」
長谷は俺の頭を胸に抱き、足を絡めたところで落ち着いたのか、そのままピクリとも動かなくなった。
「……おいおい、寝ぼけてんのかよ……まいったな」
こんながっちり拘束されたままじゃ眠れやしない。
俺は、首の辺りにまきついている腕からそっと解きにかかった。さっきまで力の入っていた腕だが、今は脱力して重いだけだ。ゆっくり、そっと腕を解いて下のほうから頭を抜く。上半身が楽になったところで、足を抜きにかかったとき、また凄い力で引き寄せられた。というより、抱きつかれた。
「……クリっていつもこんな状態で寝てんのか?」
俺は抱き枕状態で、盛大にため息をついた。なんだか、この腕を抜け出したら抜け出したで、また抱き込まれそうな予感がする。
「……もう、いいか」
不毛な攻防より、諦めてこのまま寝てしまったほうが楽。すんげぇ窮屈だけど、長谷がくっついている部分は暖かいしな。うん。そういうことにしておこう。
俺は徐々に戻ってくる睡魔に身を札ね、そのまま眠りについた。


「あれ? マジでねちゃったか」
おとなしくなった腕の中の様子に、長谷は苦笑をもらした。寝ぼけた振りして、稲葉に抱きつきまくっていたので、さすがにそろそろバレたかと思ったのだが……。
「もっと悪戯してやるべきだったか?」
いつも間にいるクリがいないので、その分思いっきりいちゃついてやろうと思った長谷だったが、規則正しい寝息を立て始めた稲葉の眠りを邪魔するのは心苦しかった。
「仕方ない、今夜は抱き枕で勘弁してやるか。……ってもう朝だけどな」
すぐ目の前にある稲葉の髪の毛。かすかにシャンプーの香りが残っているそこに頬擦りして長谷も眠りについた。

----------------

長谷→夕士です。
いちゃいちゃというよりベタベタですね。

次から修学旅行編です。
まず最初に「千晶が隣に座る理由」が続くのですが
アップ済みなので省略。
このブログの前の方にあると思うので探してみてください。
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