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都庵

現在は「妖怪アパートの幽雅な日常」「The MANZAI」の女性向け二次創作等の物置。オフラインの自家通販もやってます。

   

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お昼ごはん

第三弾です。

夏の本、なんだか「奥さまは……」になりそう。
なぜって、時間的に……(苦笑)
こう……千晶が「きゅん」となるシーンとか
夕士が思わずキュンとなっちゃう千晶の一面とかが書きたい!
あと、独占欲の少ない夕士に千晶がキリキリしてるとことかも書きたい!
だからやっぱ書くなら「奥さま……」かな……。
そういや初夜も書きたいとか言ってたっけ……。

と、いうことで原稿頑張ります。
締め切りまで日にちないけど、詰め込めるだけ詰め込むよ!
頑張る!

あと本館の日記もね、最近滞りがちだけど頑張ってるよ。
たまに腐向けの話もするね!
なんか日記って競馬の人と釣りの人が多いので
どうもそっち寄りになりがちだけど、
同人の進捗とか漫画の感想もたまには書くから……

--------------------

拍手[38回]


俺、上野は目の前に座る稲葉夕士とはクラスメイトである。今まで稲葉ってクラスでもそんなにしゃべったことがあるわけではなく、学校外で遊んだことももちろん無かったのだが、この修学旅行で一緒の班になり、なかなか面白いヤツだということがわかってきた。
だって、普通修学旅行に本とか持ってくるか? しかも分厚い文庫本全4巻に、鬼平犯科帳2冊。時代小説を読む高校生ってだけで珍しいのに、それをあえて修学旅行に持ってくるんだから、かなり変わってる。
本好きだから暗いやつかと思いきや、そうでもない。さっきのスキー教室のときも、さっさとボーゲンをマスターしていた。たぶん運動神経はいいほうなんだろうな。
部活とか、運動部じゃないみたいだけど、一緒に風呂に入ったときの体つきは、なかなかしっかり筋肉がついていた。
「なんかスポーツやってんのか?」って聞いたら、運送屋でアルバイトしているとか。なんでも、アパート暮らしで生活費くらいは自分で稼ごうとしているらしい。 そこのところ、いろいろ事情がありそうだが、詳しくは聞かなかった。たまにちょっと大人びた表情になるときがある。きっと、そうならざるを得ないときがあったんだろう。
稲葉と食事をするのはこの修学旅行が初めてだった。いつも賄いさんが作ってくれる弁当を持ってきているとかで、屋上に行ったり、教室で食べたりしているらしい。だから知らなかったのだが、稲葉はものすごく大量によく食べる。しかも「きれい」に。昨日の夕食のときに出てきた魚を、丼飯片手に骨だけ残して身一つ残さず食べたのは、まさに神業といえよう。
そして今、あんまり美味くはないといいつつも弁当とうどんをガツガツと食っている。しかも食うのが早い。
スキー教室でいつの間にか冷え切っていた体に、熱々のうどんは本当に美味くて、俺も稲葉に負けじとがっついて食べていた。すると、担任の千晶が稲葉の隣に座った。
そういえば、稲葉って千晶と仲いいんだよな。教室でも、クラス会議のときとか、後ろの席の稲葉と田代のあたりに、千晶がいることが多いし。女どもがたかってるな~と思うと、そこに千晶と稲葉がなにやら話しこんでたり。そういやバスの席も結局隣になったんだっけ?
 そんな事を思い出しながら弁当をつついていると、千晶が盛大にため息をついた。
「お疲れ」
「まったくだ」
サングラスを取って、ぐったりしつつもうどんの汁をすする千晶。確かに顔色は悪かった。
「なんか……旅行に来て初めて見るな。あンたが何か食ってんの」
「ん? うん」
俺はおやっと思った。千晶って、朝飯食ってなかったっけ? そういや、朝はテーブルにいなかったかもしれない。じゃぁ、昨日の夜は? 夜は確かに食堂にいた。食ってたとこは見て無いけど……。
稲葉って、よく見てんだな千晶のこと。
「大丈夫か?」
「食えるんなら大丈夫だろう」
「まぁなぁ、この女どもの世話をしなきゃならねーと思うと、俺でもゲッソリくるけどヨ」
そういいながら稲葉はテーブルの中央にあるポットと空いてる湯飲みを引き寄せて、お茶を入れ始めた。
自分たちのお茶はすでに用意している。と、いうことはもちろん千晶の分だ。
「ホラ。千晶、お茶」
「おぅ」
それから、稲葉はふと視線を彷徨わせた。何を探しているのかと思えば、後ろのテーブルにあった灰皿を持ってきて千晶の前に置いた。
「灰皿」
「うん」
「体調悪ぃなら、あんまり吸うなよ」
「ん~」
うどんを平らげた千晶が、稲葉の入れた茶を飲みなが答える。
「薬は? ちゃんと飲んでるか?」
俺は目の前で繰り広げられている光景に、目を見張った。なんか、なんかすごいことしてないか? この二人。
稲葉ってば、さりげなく気を利かせて、それでも注意するとこはしっかり口出しして、母ちゃんみたいだし、千晶ってば、稲葉が用意したモンを当たり前のように使って振舞って、返事が「うん」とか「ん~」って、どう見ても教師と生徒じゃなくて、どっかの熟年夫婦の会話だろう!
「稲葉、母ちゃんみたいだな」
とっさに漏れた俺の言葉に、稲葉は固まった。そして千晶は美味そうにタバコを吸っている。
なんだか、千晶が稲葉の隣に座る理由が、少しわかった気がした。


--------

上野君視点。
他人から見た二人って、やっぱ教師と生徒を越えてる気がする。
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