忍者ブログ

都庵

現在は「妖怪アパートの幽雅な日常」「The MANZAI」の女性向け二次創作等の物置。オフラインの自家通販もやってます。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

いつもの屋上

何をアップしようか考えて、結局千晶×稲葉風味なものにしてみました。
これって二番目に書いたヤツなんですけど、友人に「続きは?」と聞かれて、続き・・・やっぱり必要かな・・・やっぱ気になるか。・・・と自問自答しておりました。
続きを書くつもりは無かったのですが、たしかにこの設定のまま放置ってのもちょっともったいない気もしてきたので、実は伏線入れなおしてちゃんとした話にしようかと思っています。
でもちょっと長くかかりそうなんで、そのときはオフとかにしようかと・・・。

もう一本新しいの書いたことは書いたんですが、これもちょっと長くって、スクロール大変かな~と・・・。
ほんとうはブログは小ネタ置き場にしたいんですよね。
スパッとさっくり読めるものが理想です。
稲葉と千晶が意味も無くいちゃついてるのが書きたいんだ!ってことで。

-------------------------------

拍手[12回]



いつもの屋上、給水塔のいつもの場所。るり子さん作の激ウマ弁当を早々に平らげ、食後の読書を楽しもうと横になったところで、千晶がやってきた。
「よう」
「お疲れさん」
俺はうつぶせに寝っ転がって読みかけの本を開いた。
千晶は隣に座ると、左手で煙草を取り出し火をつける。憎らしいくらい一連の動作が鮮やかだ。
今日の千晶はうまそうに煙草を吸う。体調はいいようだ。
俺は読みかけの「鬼平犯科帳」の読書に戻った。
特別に会話することもなく、のんびりと昼休みのひと時を一緒に過ごすことは、割とよくある。だから、その時千晶が不意に体の位置を変えたことに気がつかなかった。
「稲葉、枕になってくれ」
「え?」
俺の返事より先に、千晶の頭が俺の腰のあたりに乗っかってきた。
「ちょっ、千晶!」
「いいじゃねぇかダーリン」
「よかねーよ。重いだろうが」
「ちょうどいい高さなんだよ。どうせあと十分かそこらしかないんだ」
「……ったく。しかたねぇなぁ……」
俺は千晶の頭を腰に乗っけたまま、また本に視線を落とした。すると、くすくす笑う千晶の震動が腰のあたりに響いてきた。
「なんだよ」
「いや、おまえはほんと、素直でいい子だなと思って」
「……どういう意味だよ」
「押しに弱い」
「その言葉、そっくりそのまま返すぜ。ハニー」
「お、言うね、ダーリン」
「……」
千晶の手が伸びてきて、髪の毛をわしゃわしゃとかきまぜる。千晶はこうやって、よく俺の髪で遊ぶ。
「ちょっと、やめろよ、毎回毎回……。男の髪いじったったしょうがねぇだろ」
俺はなんとなくきはずかしくて、千晶の手を払った。
「いいじゃねぇか、お前の髪の毛って気持ちいいんだよ。よけいなもんつけてなくてサラサラでさ、朝なんかシャンプーの香りがして……、そいうやおまえ朝風呂派?」
朝は5時起きで地下にある滝で水行をしているせいで、かならず隣にある温泉で体を温めている。だから、朝風呂派と言えなくもない。
「あぁ、まぁ。でもアパートの風呂って共同で24時間入れるから、夜入って朝も入ってるかな……」
「なに? すげぇいいアパートだな」
「まぁな」
ちなみに洞窟の温泉だぜ。と言ってやりたいところだが、これはオフレコだ。
「だからお前は毎朝石鹸の匂いさせてんだな」
そう言って、千晶はまた俺の後ろ髪を指にからませて遊びだした。
まったく、変なとこまで細かく見てるぜ。それにしても、人の髪いじりすぎだっての。
「千晶、そろそろ手どけろよ」
「ん~もう少し」
「……あのなぁ、やられる方にもなってみろよ」
俺は体をひねって千晶の髪の毛に手を伸ばそうとした。しかし、その手は髪の毛に触れる前に千晶の手によって阻まれてしまった。
「セットしてるから駄目だ」
「ずっり~、自分だけ楽しんでおいて」
「ははは、セットしてないときなら触らせてやるよ」
「何だよそれ」
学校にいるときは前髪を後ろに持っていくために、軽く固めている千晶。学校以外で会うことなんてめったにないくせによく言うよ。
「寝る前とか、シャワーの後とか、いくらでも触らせてやるぞ」
「あんたの家に泊まりにでも行かない限り無理じゃねぇか」
「なら、泊まりに来ればいいじゃなぇか」
「…………え?」
「泊まりに来てもいいぜ?」
「……は?」
「泊まりに来いよ」
「……」
「来いよ」
「ど、どうしたんだよいきなり」
「おまえの言うとおり、俺だけがお前の髪いじって楽しむのも不公平だと思ってよ」
「い、いいよ。別にそこまで俺髪の毛にこだわってないし」
「何だよ、嫌なのかよ、俺ん家に来んの」
「そうゆうわけじゃないけど……」
「ならいいじゃねぇか。おっと、もう時間か」
そう言うと千晶は、煙草を携帯灰皿に押し付けて起き上った。同時に予鈴のチャイムが校庭にこだまする。
「じゃぁ、いつがいいか決めとけよ」
それだけ残して千晶は梯子を下りて行ってしまった。
「おいおい。マジかよ……」
取り残された俺はひとり呟いた。何考えてんだ千晶は……。
担任が生徒を家に呼んだりしてよかったのか? まぁ、俺は男だから問題ないのか。でも、家に来いなんてどういう風の吹きまわしだか見当がつかない。
「千晶の家にお泊り……ねぇ……」
田代なんかにばれた日には、どうなる事やら……。考えただけで恐ろしい。
俺は本を閉じて五限のチャイムが鳴る前に給水塔を後にすることにした。

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

TRACKBACK

Trackback URL:

カレンダー

12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

プロフィール

HN:
あみや都
HP:
性別:
女性
趣味:
読書、園芸、競馬、雑貨作りも・・・

メールフォーム

アンケート

アンケートにご協力ください

フリーエリア

最新コメント

[10/04 米]
[10/01 米]
[09/01 浦]
[08/30 浦]
[06/11 太田]

ブログ内検索

カウンター

アクセス解析

Copyright ©  -- 都庵 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]