久々の更新です。
コミケのおかげで復帰が遅れました。
夏コミ参加されました皆様、お疲れ様でした。
委託にもかかわらず、お買い求めいただきました皆様
誠にありがとうございました。
少しでもお楽しみいただけているのよいのですが……。
で、今後のイベント参加予定は以下の通りです。
◆9月7日あさのあつこ先生作品オンリーの「AAA」
The MANZAIの本持って「都庵」で参加です。
新刊は・・・難しいかな(汗)もう日にちが無いし、来週は実家に行くし。
◆9月28日COMIC CITY SPARK
妖怪アパートでの初参加です。「都庵」で申し込みました。
新刊出します。予告どおり6巻突っ込み本。
10月11月はお休みして、12月冬コミとれてたらいいなってところです。
夏の新刊の通販はもうちょっとお待ちください。
そのうち通販頁改定してもらいます。
さて、今回の小話は長谷×稲葉です。
ちなみにタイトルの5分前とは、帰る5分前ってことです。
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[7回]
あと5分でタイムリミットだ。
「くっそ~、早いんだよな。ココ来ると時間がゆったり流れてるようで落ち着くけど、帰るときになるとあっという間って感じがどっと押し寄せてくるぜ」
俺が帰り支度を整えて玄関を出ると、稲葉も見送りに出てくる。俺がアパートを後にするときの恒例行事だ。
「ははは、それだけ充実した時間だったって事なんだろ。また来ればいいさ」
そう言って彼は笑う。朝行を済ませた稲葉の髪はまだ湿っていて、太陽の光を強く反射する。俺はまぶしいものを見るように目を細めた。
「そうだけどさ、名残惜しいんだよ。このまま連れていければいいのにっていつも思うぜ」
もっと時間を共有したい。いつも帰り際に襲われる衝動。
「ばか言うなって。クリは幽霊だぜ?」
稲葉はまだ部屋で寝ているクリを仰ぎ見る。
そうじゃなくてさ。確かにクリは可愛いし、お持ち帰りしたいほど愛くるしいけどな。
「俺はお前の事いってんだって」
言ってやると、稲葉はぱっとこちらを向き直り、頭をかいた。
「……お、俺のことかよ……」
その照れた顔が、なんとも愛しくて、もっとそんな顔が見たいと思う。
「……中学の頃まではさ、学校行きゃ会えたのに、今じゃつきに1回逢えればいいほう。ひどいときは2.3ヶ月逢えずじまいだろ? どこの遠距離恋愛だっての」
「長谷……、はずかしい例えすんなよ」
「例えじゃないって。マジで、離れてる時間が長いと想いは募る」
「……長谷……」
稲葉はストレートな告白に弱い。受け流さないで、照れてしまう。こっちも十分照れくさいんだけど、稲葉の少し困ったような怒ったような顔が見られるのなら、いくらでもキザな台詞を言うことができた。でも、さすがにクサイ台詞過ぎたかちょっとムッとしたような表情になってきた。
仕方ない。そろそろ潮時か。
「な~んてな。さて、時間だ」
俺はバイクにまたがった。
「おう、とっとと帰れ」
「つれないこと言うなよ」
俺が情けない声を出すと、稲葉はしかたねぇな~って顔をするが
「……また来いよ」
といってくれる。
口は悪くても優しい稲葉。また来るとも。お前が来んなって言ってもな。
「じゃ、クリによろしく」
「おう」
後ろ髪引かれるが、そろそろタイムアップだ。
「浮気すんなよ」
「おい、何でここでそんな台詞が出てくんだよ」
「いや、遠距離恋愛風にしてみただけ」
「いい加減その発想から離れろ。アホ言ってないでとっとと帰れ!」
背中をバシンとたたかれる。これ以上は野暮ってもんだから、俺はエンジンをかけてヘルメットをかぶった。
「じゃぁな。電話する」
腕を出すと、稲葉の腕がガツンとぶつかってきた。
それが別れの合図。アパートを離れるときの最後のセレモニーだ。
稲葉は俺が見えなくなるまで、俺を見送ってくれる。
バックミラーの中の小さな稲葉が見えなくなるまで、俺はなるべくゆっくり走った。
もったいなくってかっ飛ばして走れない。
次はいつ来ることができるか、すぐさま頭の中で計算が始まる。
まったく、長谷泉貴ともあろう者が。思わず自分に突っ込みをいれてしまうほど、稲葉に惚れてる俺。
らしくなくても、コレばっかりはどうしようもない。
曲がり角を曲がって、大通りに出ると、俺はスピードを上げて家路を急いだ。
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きっとね、姉上にエスコート頼まれたりとかしてるんですよ。
(家の女性には逆らえない長谷)
だから時間までに帰らなくちゃいけないんだけど、名残惜しいんですよ。
惚れてるからね。(苦笑)
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