遅ればせながら、5月に配ったペーパーの小話をアップいたします。
二人とも普通に卒業したという前提で書いてますので悪しからず。
最近眠くて仕方ありません。
漫画を持って布団に入ると即睡魔が訪れます。
そして目覚ましより早く起きる……という生活が続いています。
体内時計がもうおばぁちゃん並みに早寝早起きです。
仕事でつかれているせいなんでしょうがね……。
そんなこんなで、なかなか新作がアップできてません。
今度の土日で少しがんばりたいと思います。
アンソロジーの原稿もそろそろやらねば……!!
業務連絡
通販申し込みしたのに、メールの返信がまだ来ない方。
いらっしゃいましたらご連絡下さい。
なんか戻ってきちゃうものがあったので……
よろしくお願いいたします。
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[5回]
稲葉の条東商より早く、俺の学校北陽黎明の卒業式は執り行われた。
卒業式では、卒業生代表のスピーチを無難にこなし、教師への挨拶、生徒会のメンバーや後輩に別れを告げ、手に一杯の花束を渡された俺が、少々疲れを覚え始めたときだった。
「長谷会長!」
手紙を持った下級生が目の前へ現れた。
今日6人目の告白タイムに、かぶっていた猫の皮がずれそうで、俺はこっそりため息を付いた。
ここは校庭、周りの人目もある。まだ猫を脱ぐわけに行かない。
「あの、……ええと……」
もじもじする女生徒に、さっさとしろと叱咤したいところをグッとこらえる。
いかんいかん、気が立ってきたな。こうゆう時は稲葉のことを考えるに限る。
あと数日で稲葉も卒業式だ。式が終わったら速攻「卒業おめでとう」って言ってやりたいが、あいつ携帯持ってないからな。アパートに行ってもいいが、仲間内で打ち上げとかあるかもしれないし……でも当日に「おめでとう」は言ってやりたい。となると夜ダメ元でアパートに電話するしかないか。
そんなことを脳内で画策していると、ポケットに入れている携帯が震えた。
俺は目の前の女の子に断りをいれ、携帯を取り出した。
ディスプレイには「非通知」の文字。
「誰からだ?」
通話ボタンを押した。すると、一番聞きたかった声が電話の向こうからこう言った。
『卒業おめでとう、長谷!』
「稲葉」
『そろそろ卒業式終わってると思って。あ、今大丈夫か?』
「あぁ、大丈夫だ、ありがとう」
『やっぱ、当日に「おめでとう」は言ってやりたかったからさ。打ち上げとかあって留守電かなとか思ったけど、よかったちゃんと言えて』
俺は思わず噴出していた。笑いが腹の底からわきあがってくる。
「ふっ、……ははは」
『な、なんだよ、おい』
「いや、今まさにおんなじこと考えてたからさ。おまえの卒業式、俺も「おめでとう」が言いたいなってさ。偶然もここまで来ると、運命の赤い糸まで見えてきそうだ」
『は、何言ってんだおまえ』
「やっぱ俺にはおまえだよな。愛してるよ、稲葉」
『は~?』
俺は携帯の通話口を抑えて、女の子の方を向き直った。
「悪いね、恋人からなんだ」
「す、スミマセン! 私……、あの……卒業おめでとうございます」
彼女は深々と一礼すると、校舎のほうへ走っていった。告白撃退、稲葉様様だ。
『おい、長谷』
「なんだ、稲葉」
『おまえ、もしかして誰かに告られてた?』
「なんだ、聞こえてたのか」
『おまえねぇ、俺をダシに使うなよ』
「良いじゃねぇか、俺は本気でおまえのことを愛してるぞ」
『ハイハイ。それじゃ、俺そろそろバイトに戻るわ』
「おう、仕事中サンキューな。俺もおまえが卒業式のとき、夜アパートに電話するから」
『……おう』
あ、ちょっと今照れたな。
電話を切った後、稲葉のちょっと照れた顔を想像する。
う~ん、いいな。やっぱ、このまま後藤たちとの集まりを抜けて、直にアパートへ会いに行こうか。
そんなことを本気で考え出した俺だが、結局この後すぐに後藤たちに捕まった。
まぁ、稲葉から電話をもらったし、相性の良いところも再確認できたし、今日のところは級友達に付き合ってやるとしよう。
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長谷視点。
くさい台詞はお約束。(苦笑)
どうも長谷の世界は夕士中心に回っているようです。
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COMMENT
長谷、カワイイ!
Re:長谷、カワイイ!
長谷・・・なんだか夕士のこと好きすぎでおかしいことになってますね。
長谷視点で書くと、どうかっこつけようとしてもダメみたいです。
本の通販もしていただいてありがとうございます。
最近新作小話が更新できていませんが、近々アップできるよう頑張ります!
by都