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都庵

現在は「妖怪アパートの幽雅な日常」「The MANZAI」の女性向け二次創作等の物置。オフラインの自家通販もやってます。

   

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2010年

あけましておめでとうございます。

……なんていえる時期じゃないですね。
ご無沙汰しております、あみやです。
bbsにも書きましたが、年末年始からこっち、仕事が忙しくて余裕ありませんでした。
来月頭までちょっと二人分の仕事をこなさなくてはならないので、新作書けそうにありません。
すみません。

でも、1月23日にやる妖アパ絵チャには参加します!
そう、やるんですよ『らぶゆぅ』主催で!
いつも内輪やっているのですが、せっかく『らぶゆぅ』のサイトを残しているので、誰でも参加できるチャットも楽しいかな~と思い、こんな企画がたったのです。
詳しくはリンクにあるサイトをご参照くださいませ。
ちなみに絵がかけなくても大丈夫ですよ~。

っと、宣伝はここら辺にして、
今回のお話は年明けにアップしたかった千晶×夕士です。
年始らしい話なので、もっと早く書き上げたかった……。

通販再開は来週頃になりそうです。(封筒が無いの……取り寄せなくちゃ……)

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拍手[8回]


昼休み、いつものように屋上の給水塔の上へ向かう。
今日は風もないし、太陽も燦々と輝いている。さぞやコンクリートを温めてくれているだろうと、給水塔の階段を登ったところで、いつもの先客を発見した。
「よっ、千晶!」
いつものように軽く声をかけるが、返事がない。
寝ちゃったのかと思い、そばに寄ってみると、その異変に気がついた。
気持ちよく寝ているのかと思いきや、額には汗、荒い息をつき苦しんでいた。
「ちょっ、大丈夫かよ!?」
あわてて千晶の胸のあたりを確認する。
具合が悪い時、必ずと言っていいほど、千晶の胸に黒いような灰色の靄がかかる。
その靄を確認しようと神経集中のために一つ深呼吸をしたとき、千晶にものすごい力で引き倒された。
「いって~……」
固いコンクリートに肘が当たり、少ししびれた。
「悪い、稲葉……」
前髪がみだれ、かすれた声の千晶は、壮絶な男の色気をはらんでいて、俺は一瞬ドキリとした。
男の俺ですらこうなのに、こんな姿、田代達には見せらんねぇな。
「ど、どうしたんだよ千晶」
「稲葉、熱い……」
千晶はうわごとのように呟いて、俺の上に乗っかってくる。俺はいつもとは違う苦しみ方に戸惑った。
「千晶、そんなに苦しいなら、保健室行ったほうがよくないか?」
「いや……、いい」
口ではそう言っているが、荒い息はおさまらず、すりつけてくる体は熱かった。効くかどうかわからないが、とりあえず早急にヒーリングの必要があると俺は判断した。
ヒーリングは幹部に手をを置き、集中する必要がある。今のべったりはりつかれた状態では、ヒーリングしにくい。
俺は千晶の下から逃れようと千晶を押し返した。すると、千晶は、そうはさせじと俺の手を引きはがし、コンクリートに縫いとめた。
「ちょっ、千晶! ……乗っかってちゃ、つぼマッサージできないって!」
なおも体をすり寄せてくる千晶。首筋に当たる息がくすぐったい。
平熱の俺の体まで熱を持ちそうな吐息とうめきに、必死に抵抗していると、千晶が抱きついてきている背中の向こうに、なんだかあらぬものが見えた。
白と黒と灰色の虎縞の細長い物体。
それはどこからどう見ても尻尾のように見えた。
「……もしかして……。ふ、フール!」
俺は思わず叫んでいた。すると、どこからともなく現れた小人が深々と頭を下げる。
「本日もご機嫌麗しゅう、ご主人様」
「フール! んな挨拶はいいから、ちょっと見てくれ。千晶の頭、変な耳付いてないか?」
肩と首の間に千晶が頭を突っ込んでいるので、俺から千晶の頭が見えない。手も拘束されている今、確認できるのはフールだけだった。
「ははぁ、これはまた見事な……獣耳で」
案の定。フールの言葉に、俺は事態を理解した。
「やっぱり憑かれてるってわけか」
「はい、憑かれております」
「マジか……。じゃぁヒーリングしてもしかたねぇな」
「はい。しかし……これはまた、千晶さまは特殊な動物に憑かれましたな……。私も
この種族に会うのは初めてでございます。耳も丸くて……立派でございます」
「……耳が丸い?」
フールの『種族』という言葉もひっかかる。
「おい、また猫の霊じゃないのか?」
なんだか嫌~な予感がする。その正体を聞きたいような聞きたくないような……。
一方、フールは憎たらしいほど満面の笑みで「はい」とうなずいた。
「千晶さまに憑いているのは虎でございます」
「…………トラ……」
「しかも、シルバータイガーですよ! 白銀に輝く白い毛と、漆黒の黒い毛の柄が合わせって見事な銀色に、……すばらしいです」
フールの千晶を見る目はとろんとしていて、うっとり顔だ。さぞ、きれいな縞模様が見えていることだろう。
だが、俺は「へぇ~そんなんだ」と流すわけにはいかなかった。
「ちょっと待て! 虎って、シルバータイガーってどういう事だよ! んなもん千晶はどっから憑けてきて……って、わわわっ、千晶!」
いきなり首筋を舐められて体が縮こまった。
「く、くすぐったいって! やめろよ千晶!」
縫いとめられた手に力を入れても、びくともしない。俺は防御できない体制で、千晶に訴えかけた。しかし、制止の声は届いていないかのように、千晶は俺の首筋に甘く歯を立て、俺をあわてさせた。
「ちょっと、マジでやばいって! あんた少し離れろよ!」
大声でわめくと、ようやく千晶が顔を上げた。やっと気づいてもらえたと安堵する間もなく、俺はすぐさま固まった。
千晶の頭には、フールが言うとおり丸い見事なトラの耳。そして、瞳が、人の物ではなかった。
「蒼い、瞳……」
千晶は俺と目を合わせると、潤んだ目をすっと細めた。
俺は悟った。千晶は虎に乗っ取られている。
「ふ、フール。コレ、どうやったら成仏するんだ?」
俺はからからになった喉に唾を飲み込んだ。すると、上下した俺の喉仏に、千晶の視線が集中する。
「もしかして、俺を食う気じゃないよな……」
千晶の顔がどんどん近づいてくる中、フールが答える。
「お腹が減ってる感じはありませんので食べられる心配はないかと……、ですが……」
千晶の吐息が喉に係り、背中にゾクリと震えが走った。
「ですが……なんだよ」
「はい、この症状、発情期かと思われます」
フールの言葉と同時に、千晶の舌が俺の喉仏を舐め上げた。
「んんっ!」
熱い舌が生々しくて、声にならない。
俺はギュッと目を閉じて考えた。
首の辺りが千晶の息と舌でむずむずするが、とにかく落ち着いて打開策を考えなくては、始まらない。
発情期……確かに体熱いし、フェロモン全開だもんな。きっとそうなんだろう。でも、発情期って言ったら子作りだよな。すると満足して成仏してもらうには……。
「結局俺が食われるってことか!?」
思わず目を開けたその先で、蒼い瞳の千晶が妖艶に笑った。



「ってところで目が覚めたっス」
俺は話をしめくくった。
お正月の三が日。アパートでは連日の酒盛りで、酒の肴にされた俺は、悪夢のような初夢話を披露した。
「ははは、凄い初夢ダネ!」
「正夢になっかもなぁ~」
飲んだくれの詩人と画家は、人事だと思って大いに笑う。
「冗談やめてくださいよ! マジ怖かったんですって!」
「シロに起こしに行ってもらった時のだよなぁ。ナイスアシストシロ!」
シロを撫でてる古本屋も楽しそうだ。
大きなため息を付く俺。
龍さんが旨そうに酒を飲み干して、ポツリとつぶやいた。
「人の不幸は蜜の味ってね……」

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「CAT PANIC」を引きずってますがコレ単体でもいいかなと。

ちょっと抑えめですが、冬コミでKさんにリクエストされた
発情にゃんこ(虎)の千晶です。
虎って発情期が短いから、一日にそうとうするらしい……
いや~夢でよかったね、夕士。(苦笑)

初夢ネタなので、もっと早くにアップしたかった・・・。(涙)
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