おまたせしました。
新刊のサンプルです。
「読んでみる」をポチットなですよ。
If設定なので大学生夕士と千晶先生が恋人同士ですよ。
本が印刷所から届きましたので近日中に通販再開しますね。
前回品切れの「Reprint」も初版分が手元に数冊戻りましたので
あるったけ通販します。
さて、3月があっという間に過ぎ、4月です。
4月は前半が大変忙しい!
5月4日スパコミのプチオンリー「香月祭」の準備です。
今アンソロの原稿やってます。
あとノベルティも、イベント看板も作ってます。
実は3月中に5月用の再録本を編集してました。
「If~Date~」から一連の話を再録。
発行部数の少なかった「幽雅な食卓……」も入れました。
コピー本も入れたのでR-18になってしまった。
とりあえず、入稿を済ませているので
5月、新刊が1冊も無いことは回避できたかな。(苦笑)
とりあえず、今一番優先しているのはアンソロジーなので
そこに一点集中します。
続々と原稿が集まってきてますよ~。
一番最初に読めるのは主催の特権だよな……♪
以下、コメント返し
千晶先生LOVEさん>
コメントありがとうございます。
ニヤニヤしていただけたようで……
こっちまでニヤニヤしちゃいますよ(苦笑)
通販もご利用いただきありがとうございました!
(到着連絡もありがとうございます!ゆっくりお楽しみ下さいませ)はるさん>
到着連絡ありがとうございます。
初めの到着連絡メールはやはり届いておりませんでした。
でも、到着してたなら大丈夫ですよ~。
また通販ご利用くださいませ~。小松さん>
到着連絡ありがとうございます。
おこたでぬくぬく読書タイム、まさに理想ですね。
そうそう、合同誌の件、私は参加しておりませんが
プチオンリーではアンソロジーを発行予定です。
後日通販も予定しておりますのでよろしかったらご確認くださいませ。ゆきさん>
到着連絡ありがとうございます。
楽しく読んでいただいたようで……嬉しい限りです。
5月のプチオンリーにはお越しいただけるんですね!
ありがとうございます!お待ちしております。-----------------------------------------
[6回]
三度目のバレンタイン
アルバイトの帰り道、いつも通る駅前に広場がある。そこは、駅ビルに入っている店舗がワゴンセールを行ったり、簡易店舗が建ったりというような、多目的イベントスペースになっている。たとえば、夏ならお中元のセット用品売り場だったり、ソフトクリーム屋が椅子を並べていたり。つい先日までは、テレビで紹介されたらしいスイーツを売っていて、行列ができているところを何度か見たことがあった。
そして、今そこは、ピンク一色の装飾で高級チョコレートを売っていた。
そう、今日は二月七日。バレンタインデーまであと一週間といえば、何のフェアかは容易に想像が付く。
「もう、そんな時期なのか……」
夜遅い時間ということも有り、客はOLらしきお姉様が二人ほどだったので、俺は通りがけにちょっとだけ売り場をのぞいてみた。
この時期に良く見かけるチョコレート専門店や、どこかのパティシエの品がケースに展示され、豪華そうな包みが数点ケースの上に並んでいる。
トリュフやプラリネを中心に、オランジェット、生チョコなどがディスプレイされていて、それなりにおいしそうではあった。
が、俺はその値段を見てちょっと引いた。
だって、三個しか入ってないのに四桁って、ありえないだろう?
「食えば美味いんだろうけど……なんだかなぁ」
俺はすぐにその場を立ち去り、家路を急いだ。
アパートではるり子さんの激ウマ晩餐が待っているはずだった。
帰りのラッシュが一旦引いた時間とはいえ、電車はそれなり混んでおり、俺は車両の真ん中近くのつり革につかまることにした。
ふと電車の中刷り広告を見上げると、そこにもバレンタインの文字が躍っていた。
「ねぇ、もうチョコ買った?」
「まだ~。そうだ、今度○○駅のヴァレンタインフェア行ってみない?」
目の前に座るOLの会話が耳に入った。
「会社用は安物でいいかなって思うんだけど……」
「いや、会社用だからって安物すぎても……ほら、うち営業部だからさ、以外とブランドとか値段知ってたりするんだよねー」
「あー……そっかぁ」
「小さくても良い物の方がまだいいかな~って感じ。だから、女陣一同ってことでお金出し合って買うことにしたんだ」
「ウチの部は女の人数の方が多いからなぁ……、若いイケメン君もいるし、大きさは統一して、中身に差をつけてやろうかと思ってるんだけど」
「いいんじゃない? おじいちゃん達はどうせ何あげてもいっしょだよ」
「そうだよね。あぁ、本当この時期金欠で困るよ」
社会人になると、女性は大変だなぁ等と思いながら、なんとなく聞き入ってしまう。
「でも、自分チョコは買うでしょ?」
「もちろん、ちゃんと別予算に決まってるじゃない」
「さては、目をつけてるヤツがあるんだ」
「いろいろ調べてるわよ。すんごくおいしそうなのこないだネットで見つけたの!」
「ふーん。で、彼には何あげるの?」
「あぁ、そっちは手づくり」
「あ、ちゃんと本命には手作り用意するんだ」
「去年作ったチョコケーキは味が甘すぎるとかぬかしやがったから、リベンジするだけ。舌が肥えてて困っちゃうよ。本当はそろそろ買ったチョコで我慢してもらいたいんだけどね……あ、今日はここで降りるんだ。じゃぁまたメールするね」
「じゃぁね、お疲れ~」
上司や同僚への義理チョコに、自分用チョコ、そして本命への手作りチョコとは恐れ入る。
今年のバレンタインは月曜日。月曜日といえば、一コマ目から大学の講義があり、その後剣崎運送で八時半までバイト、というのが通常だが……。
最寄り駅のホームに降りると、そこにも大々的にバレンタイン商戦の広告が貼られていた。
「…………」
俺は軽くため息をついた。
去年までは高校の教師と生徒。卒業してから紆余曲折を経て、なんと、千晶とは現在恋人同士である。(まさか田代たちの妄想が、現実になるとは思わなかったなぁ)
去年は、るり子さんの作ってくれたオランジェットがめちゃくちゃ美味しくて、差し入れに持っていってやった。丁度日曜日だったし、受験前で勉強漬けだったから、気晴らしもかねてたんだよな。
さらに記憶をさかのぼって、その前の年のことを思い出してみる。
高2の時は、弁当に入れてもらったイチゴのチョコ掛けだった。いつもの給水塔の上、ぶっ倒れてる千晶にヒーリングしてやって、その後るり子さんに入れてもらったデザートを一口楊枝で食わせてやったっけ……。
「高校時代は付き合っているわけじゃなかったのに、なんらかんらで千晶にチョコをあ食わせてたんだな、俺」
意識してないかったとはいえ、事実にもう苦笑するしかない。
千晶も俺も男だから「バレンタインなんて関係ないだろ」と言ってしまえば、言えなくもないんだろうけど、こう毎年食わせてやっておいて、恋人同士になったとたん用意しないってのは、やっぱりまずいだろう。
「しゃーない。今年もるり子さんに作ってもらったのを持って行こうかな……」
るり子さんの作ってくれるチョコに間違いはない。きっと高級チョコにも負けない、お手製絶品チョコを作ってくれるだろう。
「うん、そうしよう……」
一旦はそう思うが、俺ははたと気づく。
るり子さんの作るチョコは、『るり子さんからのチョコ』であって、本当の意味では『俺からのチョコ』ではないんじゃないか?
「……」
去年までは、付き合っていたわけではないし、第一バレンタインを意識して食わせていた訳ではない。
でも今年は、ちゃんとバレンタインの意味合いを一応含む訳で……。
「う~ん……、今年は何とか自分で調達するか」
千晶のことだから、きっと今年も山ほどもらってくるだろう。だから、量は多くなくていいと思う。
「と、なると味勝負ってことか? 味ねぇ……」
どこのメーカーのものがおいしいかなんて、さっぱりわからない。今日見たような高いチョコはきっと味はいいんだろうけど……、なんかあの金額見ちゃうと、ちょっと味見してからという訳にはいかない。そもそも、女の群がる中でチョコを選んで買う勇気が俺にあるだろうか? ……無いな。
「あぁ、気が重い……」
そんなことをグルグル考えている間に、アパートにたどりついてしまった。
当日までまだ一週間ある。
「あとでまた考えよ」
諦めかけたそのとき、ふと電車で聞いたOLの会話を思い出した。
「本命には手作りって言ってたっけ……」
手作り……できるだろうか? まったく料理をしたことの無い俺が―――――――――。
「なになに? 夕士くん手作りチョコ貰ったの?」
「わっ!」
急に後ろから声を掛けられて、俺は飛び上がった。気配がまったく無かったから余計驚いた。
声の主は佐藤さんだった。会社勤めしている妖怪でアパートの住人の一人だ。
「佐藤さん、お帰りなさい」
「ただいま~。で、何玄関の前でぶつぶつ言ってるのかな?」
「あ、いや。なんでもないッス!」
「そぉ~? 今、本命には手作りとかなんとか聞こえたんだけど。もうすぐ、バレンタインだものねぇ~」
「あぁっと、そ、それは……大学の女の子が、本命には手作りがいいかな~って聞いてまわってたもんで」
俺は何とかごまかした。アパートの人たちには千晶と付き合っていることを秘密にしている。公にしても、偏見は持たない人たちだが、酒宴につれて来いとか言いそうなので、あくまでも千晶とは友達づきあいということにしている。まぁ、薄々感づいている人はいるんだろうが……。
「そうねー、おいらはやっぱり既製品より手作りがいいな~」
「あ、そうなんですか?」
「もらえるだけでも十分嬉しいけどね。手作りって、よそじゃ売ってない、その人が作ったオリジナルなものでしょ? その人の気持ちがこもっている感じが好きだねぇ~。中でもるり子ちゃんがおいらに作ってくれるチョコが一番」
佐藤さんはニッと笑って玄関をくぐって行った。
「……手作り、しようかな……」
俺の心はきまった。うまく作れるかは不安だけど、ちょっとくらい失敗しても、千晶なら許してくれるだろう。
決めたとたん腹が鳴った。俺は急いで食堂へ駆け込んだ。
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と、まぁこんな感じで夕士手作りチョコにチャレンジです。
でも、まぁそう簡単にはいかないわけですよ。(苦笑)
この後、あの人やこの人が出てきて……ピンチの連続?
Reprintの中のバレンタイン話と
5月に出す再録本のバレンタイン話を読んでから読むと
いっそうお楽しみいただけます。
この本だけでも大丈夫だとは思うけど……。
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COMMENT
無題
委託参加の件
実は9日のAM10:00ごろ返信メールを差し上げております。
届いておりませんでしたでしょうか?
委託OKですので、参加表明フォームよりエントリーしてください。
サークルカットも必要ですので参加フローにある申込みセットをダウンロードしてご利用くださいませ。
締め切りは4/15です。
他、確認事項がございますのでメールにてご連絡差し上げたいのですが
届かないとなると……困りましたね。
こちらには帰ってきていないようなのですが……。
ちなみに、メールは「koudukisai@live.jp」より送信しております。
Hotメールがはじかれているのであれば、yahooメールで送りますが……
ご指定とかありますでしょうか?
こんなところでなんですが、ご連絡いただけますと幸いです。
あみや都