超ギリギリですが、なんとか間に合った。
せっかく書いた記事がさっき強制終了かかって全部吹っ飛びました。
時間無いのに!
えっと、バレンタイン話です。
オフでバレンタイン本を出しているので、今回どうしようか迷いました。
(オフで出した本はもう完売済み)
前回高2のバレンタインだったので、今回は高3のバレンタインに挑戦です。
丁度3月の本をるり子さんのお料理本の突っ込み本にしようかと考えていたので、丁度肩慣らしといったところでしょうか。
高3の2月だと原作では・・・なので、いつもの「If」(もしも普通に卒業したら)設定ですが、まぁ、パロディだから許してください。
さて、3月の本のために、またもぐります。
通販はちゃんと処理しますが、更新は原稿が終わったらになりそうです。
そうそう、通販はゆうメールとメール便どっちも使えるようにしました。
オーダーのときにご一報くださいませ。
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[11回]
二月十四日。
「チョコレートのお菓子」
今年のバレンタインは日曜日。龍さんはお出かけのようですが、他のみなさんはアパートにいらっしゃるので、作りがいがあります。
毎年たくさんもらう一色さん、深瀬さんには今朝、第一陣がダンボールで届きました。夕士クンも、登校日の日に早々と女の子にもらったとか。みなさんモテモテでチョコレートには少し飽きてしまうでしょうから、今日の料理はさっぱりしたものと塩気のあるもので考えることといたしましょう。
でも、やはりバレンタイン当日ですので、わたくしもチョコレートのお菓子にチャレンジしてみたいもの。おやつにコーヒーと一緒に召し上がっていただけるようなものを準備したいと思います。
秋音ちゃんがいるときは、チョコレートケーキをリクエストいただいていたのですが、今年は残念ながらいないので、思いきって今日は大人向けに作りましょう。
まず一つ目はチョコレートを使ったブランデーケーキ。
作り方は簡単。パウンドケーキを作るのとほとんど一緒で、ブランデーを生地にも少し混ぜて作るの。色味と風味を出すためのココアパウダーも忘れずに。焼き上がったケーキにたっぷりブランデーを塗れば出来上がり。アパートの皆さんは大酒飲みなので、普通よりたっぷり刷毛でぬっておきますね。
そうそう、今回使ったブランデー、実はお料理に使うのがもったいないほど高価なものらしいのだけど、古本屋さんがお土産に買ってきたものをこの時用に残しておいたんです。このことは古本屋さんしか知らないので、ほかのお酒好きさんたちには内緒にしておいてくださいね。
さて、もう一品。オランジェットを作ります。こちらはオレンジの皮を砂糖煮したものをチョコレートでコーティングするのですが、ケーキと違って、こちらは艶が出るまでしっかりチョコレートをテンパリングするのがコツ。今回はビーターなチョコレートで仕上げました。オレンジが甘いから少し苦いくらいでちょうどいいバランスになります。
最後に最近はやりのキャラメルを使った生チョコを作っていると、一色さんが台所にのぞきに来て、せっかくだからお酒入りのチョコを作ってほしいとリクエストをいただきました。ちょうどもらいものでシャンパンと焼酎の小瓶があるとのことなので、わたくし、チャレンジしてみました。
シャンパンは炭酸を飛ばさないと使えないので、アルコールを飛ばしてみたのだけど、ちゃんと香りはしっかりしたチョコレートができあがりました。焼酎の方は風味を大事にしたかったので、プラリネの中に仕込んでみました。
出来上がったチョコレートを味見した深瀬さんったら、「おっ、酒に合うな!」ですって。お酒入りのチョコを食べながらお酒を飲むんですから、本当お酒の好きな方たち。
三時のおやつに出来上がったケーキとチョコをガラスの器に盛り、彩のフルーツを飾り付けたところで、皆さん食堂に集まってまいりました。
一色さんと深瀬さんと佐藤さんは最初っからバーボン。古本屋さんとまり子さんと鈴木さんと夕士クンは紅茶でよろしいかしら。クリちゃんには冷ましてからね。
みなさん、個々にチョコレートをいただいていても、わたくしのチョコは必ず召し上がってくれます。「やっぱり、るりるりのチョコが一番ダネ」だなんて、一色さんたらお上手。
まり子さんはブランデーたっぷりのケーキが気に入った様で「絶対来年も作って~!」ですって。また古本屋さんに美味しいブランデーをおねだりしなくっちゃ。そんな古本屋さんは、いつの間にか紅茶にたっぷりブランデーを足して、「口ん中がちょうどいいカクテル」ですって。焼酎入りチョコ、シャンパン入りチョコもなかなか好評なようでよかったわ。クリちゃんには、お酒がきついから、キャラメルチョコと特別にお酒を入れないで焼いたチョコマフィンを用意したんだけど、ふふ、みんなと一緒のものが食べたいのね。シャンパン入りはアルコールを飛ばしてるから大丈夫だと思うけど、……あらあら、やっぱり大人の味だったみたいね。残りもので作ったハートの板チョコをマフィンにトッピングしてあげるわね。
もう一人の未成年、夕士クンはオランジェットが気に入ったみたい。「すっげー旨いっす!」と大絶賛。うれしいわ~。それにしても夕士クン、ブランデーケーキで少し頬が赤くなっちゃってかわいいわね。夕士クンにもアルコールなしのマフィンを用意していたんだけど、ブランデーケーキも美味しそうに食べてくれるから、出すタイミングがなかったわ。でも、今日はお休みだし、大丈夫よね。
一通りチョコを食べ終えると、やはりしょっぱいものがほしくなるというもの。もちろん、ちゃんと用意してますよ。お新香の盛り合わせに渋い緑茶。酒飲み組はそれをつまみにまた飲み始めて、夕士クンと庭いじりをする鈴木さんは緑茶で一服。クリちゃんはおなかが膨れて眠くなっちゃったみたいね。
わたくしもそろそろ晩御飯の支度にとりかかろうかしらというとき、夕士クンが台所に「まだ、このオランジェットって残ってます?」ですって。もちろんたっぷり作ってあるからまだありますよ。すると「これ、すっごく美味しかったから長谷や千晶にも食べさせたいなって思って……。まだ夕飯までに時間もあるし……」ですって!
まぁ、うれしい。そんなに気に入ってもらえただなんて!
わたくし、さっそくラッピングをしました。タッパーなんて味気ないものに入れられません。今日はバレンタインなんですから。
パーティー用に飾り付けるリボンはいろいろありますが、ラッピング用の包装紙はあまり良いものがありませんでしたので、ぎざぎざに切れるハサミを使って、クッキングシートとクリちゃんが使っている千代紙でデコレートいたしました。
細いリボンを数色混ぜて結んで出来上がり。着替えて台所に戻ってきた夕士クンに渡しました。夕士クンは「ありがとう、るり子さん!」と言って鞄に大事にしまって玄関へ向かいました。
靴をはいたところで「あ、バレンタインの日に男の俺がチョコ持ってくのって、変かな?」そう振り返るので、わたくし、全然変じゃないわと手を振りました。だって、美味しいと思ったものを、大好きな人にも食べてもらって、美味しいという幸せなキモチを共有したいってことでしょう? 素敵な行為じゃないですか。私が背中を押すと、夕士クンは吹っ切れたようで「じゃ、行ってきます!」と手をふって出て行きました。
いってらっしゃい、夕士クン。
うふふ、夕士クンからチョコを貰う方は、いろいろ期待しちゃうかもしれませんけどね。なんせ、バレンタイン当日にわざわざチョコを届けに来るんですから……。夕士クンってば罪つくりね。
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ホント罪作りな男・・・。(苦笑)
夕士が千晶の家を知ってるってことで、書いてみたくなりました。
長谷は、バレンタインが日曜なら金曜日から泊まりに来てそう。
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